愛知県内の大高公民館で小学校2年の男児が玄関のガラスに激突し、ガラスの破損によって死亡した事件で、1987年11月13日、名古屋地裁は、公民館を管理している市に対して「開口部の安全設計指針」などによる安全に対する配慮を欠いたとして、児童の父兄からの損害賠償を認める判決を下しました。
使用していたガラスは、厚さ5ミリの普通板ガラスでした。建物の管理者に、上記の「安全設計指針」を遵守する責任があることを認めた判例として注目されます。
1996年9月、S県のショップで買い物をした会社員の男性が、急いで店を出ようとし、誤ってまだ開ききっていないガラスの枠付き自動ドアに激突、手に重傷を負いました。傷口が深く、後遺症の心配が残っています。枠付きの自動ドアに使用されていたガラスは、強化ガラスではなかったため、ケガが大きくなったと思われます。
この事故で、会社員は自動ドアについて、ショップの安全性確保が不十分だったとして、経営者を相手取り訴訟を起こす動きに出ています。自動ドア業界の関係者の話によると、「現在使用されているガラスの枠付き自動ドアの90%は、安全ガラスが使用されていないのが実情」ということです。